新生児聴覚検査

【なぜ検査が必要なの?】

先天的に聴覚障害を持つお子さまは1,000人に1~3人と言われていますが、軽・中度の障害は2歳、3歳になって言葉の発達の遅れとして発見されることがほとんどです。

近年では、生後2か月~6ヵ月程度から補聴器を装着することにより、通常の言語能力を獲得することが可能であると考えられています。

当院では、できるだけ早期の段階で障害の有無を発見できるように聴覚スクリーニング検査を実施しています。

【どんな検査なの?】

当院で採用している検査方法は、国内外で一次スクリーニング検査として推奨されるAABR法というものです。

この方法は赤ちゃんの耳に小型プローブを装着し、音に対する内耳の反応をもとに検査するもので、簡単な検査で精度も高く、検査費用の負担も軽い検査法です。

この検査方法では、聴覚経路のうち脳神経奥深くの障害の発見は困難と言われていますが、この部分の障害は新生児難聴の1%以下と言われており、その他の重篤な障害を持つ場合がほとんどですので、むしろそちらへの対応が先決と考えます。

【判定結果は?】

PASS

現時点での聴覚の障害はみられません。
しかし、難聴の中にはまれに進行性のものもありますので、成長過程で異常を感じた場合には、再検査をお勧めいたします。

REFER

再検査の必要がありますが、「REFER」=「難聴」ではありません。
聴覚障害の判定は、数回の結果と耳鼻科による精密検査の結果で判定されます。

【検査費用】

5,000円

ご退院時に入院費用とご一緒に精算させていただきます。
助成対象の市町村にお住いの方は、自己負担はありません。

先天性代謝異常等検査・拡大新生児スクリーニング検査

【なぜ検査が必要なの?】

先天性の病気の中には、生後早い時期に検査を行うことで診断できるものがあります。これらの病気は、放置していると心身の発達の妨げになったり、生命にかかわる重い症状が出ることがありますが、早期に発見し早期に治療につなげることで、発症を防ぐことが期待できます。

【どんな検査なの?】

タンデムマス法という新しい検査法により、1回の採血でさらに多くの疾患について検査ができます。

生まれて4~7日目に血液をろ紙に採り、専門の検査機関で検査します。

先天性代謝異常等検査 
※すべての赤ちゃんが対象です。

 

<アミノ酸代謝異常>

フェニルケトン尿症、ホモシスチン尿症、メープルシロップ尿症、シトルリン血症1型、アルギニノコハク酸尿症

 

<有機酸代謝異常>

メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、イソ吉草酸血症、メチルクロトニルグリシン尿症、ヒドロキシメチルグルタル酸血症、複合カルボキラーゼ欠損症、グルタル酸血症1型

 

<脂肪酸代謝異常>

中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(MCAD欠損症)、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(VLCAD欠損症)、三頭酵素/長鎖3-ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症(TFP/LCHAD欠損症)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼー1欠損症(CPT-1欠損症)

 

<糖代謝異常>

ガラクトース血症

 

<内分泌疾患>

先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症

 

■拡大新生児スクリーニング検査 

※この検査は任意ですが、当院では全ての赤ちゃんに検査を受けていただく事を推奨します。

 

ファブリー病、ポンペ病、ゴーシェ病、ムコ多糖Ⅰ型、ムコ多糖Ⅱ型 重症複合免疫不全症 脊髄性筋萎縮症

【検査結果は?】

異常があった場合のみお電話でお知らせします。

検査機関から再検査の依頼があった場合は再度当院で検査をし、異常があると判断された場合は

専門の精査医療機関を受診していただきます。

【検査費用】

■ 先天性代謝異常等検査

  無料(公費) 

  2,000円 

  ※拡大新生児スクリーニング検査を受けられない方(採血料・指導管理料として)

■ 拡大新生児スクリーニング検査

  11,000円(検査料・採血料・指導管理料含む)